【場面別】車椅子で階段の上り下り方法を紹介!階段昇降機も徹底解説
車椅子使用者、介助者の方が非常に困るポイントとして「階段の上り下り」があげられると思います。
車椅子使用者の方が安全に生活を送れるために知っておくべき階段の上り下りの方法を解説します。
また、階段の上り下りの際に使える「階段昇降機」についても詳しく解説いたしますので、ぜひ最後までご覧ください。
目次
車椅子の時の階段の上り方
車椅子で移動する際に注意が必要なのがなんといっても階段です。
階段を使用する際には平地よりも進むのが困難で転倒のリスクも大幅に上がります。
また、無理やり階段を乗り越えると車椅子使用者の方の恐怖心が煽られ、非常に危険です。
ですので、車椅子の時の階段の上り方を以下の2つの場面に分けて解説していきます。
● 車椅子使用者が1人の場合
● 介助者がいる場合
車椅子使用者が1人の場合
基本的に車椅子使用者1人で階段を上るのは危険なので避けるのが賢明です。
1つの手段として階段昇降機を使用するものがありますが、階段昇降機については後ほど解説します。
もし1人で階段を上るのが危険だと判断すればまわりの方に助けを求め、手助けをしてもらうか車椅子用のスロープを用意してもらうのがよいです。
介助者がいる場合
介助者がいて階段を上がろうとする場合は以下の3つの手順で上るようにしましょう。
まず最初は介助者がティッピングレバーを踏み込み、両手で車椅子を引き前輪を持ち上げます。
そこで浮いた前輪を上の段に上げます。
次に前輪が上の段に乗っているのを確認して後輪を階段に押し付けるようにして前に進みます。
最後に後輪を階段にそらせるように持ち上げ、安全に車椅子を階段の上に移動させましょう。
以上のような段階をしっかりと踏み、車椅子で階段を上れます。
段階を踏んでも平地よりは危険ですので1つ1つの手順を慎重に行うようにしましょう。
車椅子の時の階段の下り方
先ほどは車椅子での階段の上り方を解説しました。
次は車椅子での階段の下り方を解説していきます。
車椅子での階段の下り方は登りよりも転げ落ちてしまう危険性が高いので非常に危ないです。
先ほどと同じように以下の場面で、どのように対応するべきかを解説します。
● 車椅子使用者1人の場合
● 介助者がいる場合
車椅子使用者1人の場合
先ほども記載した通り1人での階段の上り下りは非常に危険です。
ですので特に段差が大きい場合は、ほかの方に助けを求めるのが賢明でしょう。
また、スロープを使用する際も角度が急だと止まりきらずに事故が起こる可能性があるので注意が必要です。
段差が低い階段でも1人で下る場合は、とにかくゆっくりと降りましょう。
特に下の段にタイヤがつく瞬間は注意が必要です。
介助者がいる場合
介助者がいて階段を下る場合は、上るとき同様に以下の手順に従って行うようにしてください。
まず、車椅子を後ろ向きにして後輪を階段の角に押し付け、段差に沿うようにして後輪をゆっくり下ろします。
次にラッピングバーを踏んで前輪を浮かせ、車椅子を後方に向かって引いていきます。
最後に安全な位置まで車椅子を引いたらティッピングバーを踏んで優しく前輪をおろしましょう。
以上の手順を踏むと普通なら危険な車椅子での階段の下りも安全に行えます。
これまですべて人力で車椅子での階段の上り下りの方法を解説してきました。
それ以外の方法をこれから解説していきます。
階段昇降機とは何か?使用目的を解説
階段昇降機は、簡単に言うと椅子や車椅子に乗ったまま簡単に階段を上り下りができる機械です。
一般的に駅や病院、介護施設、学校などで階段昇降機は使われていますが、近年では一般住宅で設置している場合もあります。
階段昇降機は足が不自由で階段の上り下りが困難な方や車椅子使用者で階段の上り下りが難しい方、高齢者の生活を楽にする目的で使用されます。
階段昇降機を使用するメリットとデメリット
階段昇降機とは何かについて、説明してきました。
階段昇降機のメリット・デメリットを理解すると、車椅子で階段の上り下りに対する理解が深まるでしょう。
ですので、ぜひ最後までご覧し、ご使用の検討をしてもらえたらと思います。
以下が階段昇降機のメリットとデメリットです。
メリット
● 車椅子使用者のみで階段の上り下りが可能
● 介助の負担が減る
● スロープがなくても既存の段差が確実に登れる
デメリット
● 階段昇降機への移動が必須の場合がある
● ほかの方の移動スペースが取られる
基本的にはメリットが多い!
もう一度階段昇降機のメリットをおさらいします。
車椅子使用者のみで階段の上り下りが可能
すべての方に当てはまるわけではありませんが、平地の場合は介助なしで移動できる方であれば階段昇降機を使用して1人で階段の上り下りが可能です。
手元で階段昇降機を操作するのでこのような結果になります。
介助の負担が減る
介助者にはさまざまな業務があります。
その中でも階段の上り下りの介助は体力的な面からみても非常にきついものといえます。
体力的な面で見ても安全に上り下りができる観点で見ても階段昇降機を用いるとメリットしかありません。
スロープがなくても既存の段差が確実に登れる
既存の階段にスロープを取り付けるのはスペース的な問題でできない場合もありますが、階段にそのまま設置できる階段昇降機もあるのでよい点と言えます。
少ない悪い点も抑える必要がある
デメリットもおさらいしましょう。
階段昇降機への移動が必須の場合がある
いす式階段昇降機と呼ばれる階段昇降機の場合は車椅子から専用の椅子への移動が必須です。
ほかの方の移動スペースが取られる
先ほど既存の階段に設置ができると説明しましたが、既存の階段に設置するとほかの方が普通に上り下りする階段部分が減ってしまいます。
以上のデメリットも知っておくべきでしょう。
まとめ
本記事では車椅子での階段の上り下りの方法、階段昇降機について解説していきました。
本記事で紹介してきた階段の上り下りの方法を実践すると、比較的安全に階段の上り下りが可能になります。
しかし、絶対に安全ではないので慎重に階段の上り下りや階段昇降機を用いるなどの工夫をするべきでしょう。