高齢者は足が上がらない?筋力の衰えをトレーニングでカバー
年齢を重ねると、どんなに健康に自信があった人でも身体の機能は衰えていきます。? 「もう歳だから」とか「転ぶのが怖いから」と、身体を動かさなければどんどん筋肉は衰えていきます。 いつまでも健康であり続けるためには歩く力を保つことが大切で、そのためには年齢に応じたトレーニングが必要です。
目次
歩くことで脚の筋力の衰えを防ぐ
日中はデスクワーク、自宅から会社までは車や電車通勤というライフスタイルの方は、歩く時間がほとんどないということも多いのではないでしょうか。 高齢になるとさらに歩く機会も減りますし、病気になって入院をすればどんどん脚の筋肉は衰えていくでしょう。 歩く時間が減り脚の筋肉が衰えると、介護になるリスクも上がっていきます。 ?年齢とともに脚の筋肉や骨が弱くなっていくので、高齢者が転倒すれば骨折してそのまま寝たきりになってしまうことも珍しくありません。? また一度転倒すると、それが怖いからと家に閉じこもりがちになるのも問題です。 家に閉じこもる生活が続けば、さらに足腰が弱り、寝たきりの状態になってしまうという悪循環になります。 高齢者が転倒しやすくなるのは、足が上がらないことやバランスが取れないこと、身のこなしが鈍くなることが原因です。 転倒や骨折、寝たきりになるのを防ぐためには、歩く力を衰えさせないことがとても大切なのです。 ただし、歩くことを心掛けている人でも、歩き方が間違っていると脚の筋肉の維持につながらないこともあるので要注意です。 背筋・膝を伸ばし、筋肉を動かすことを意識して歩くようにしましょう。 中高年以降はどうしても脚の内側の筋肉が弱っていくので膝痛も起こしやすく、そうなると歩くこと自体がおっくうになりがちです。 そうすれば、ますます筋肉は衰えるという悪循環になるので、そうなる前に脚の筋肉を鍛えておくことがとても大切です。
年齢と共に起こる筋肉の衰えでこんな症状が!
脚にはいろいろな種類の筋肉があるのですが、中高年から特に意識して鍛えておきたい筋肉があります。 まず「内転筋」と言われる内ももの筋肉です。 ここが衰えると膝のお皿が不安定になり、慢性的な膝痛や腰痛になりやすくなります。 特に太ももの太い女性は要注意で、歩幅を広くして歩くと辛いようなら、内転筋が衰えている可能性があります。 ほかには、太ももの前面を包む「大腿四頭筋」や太ももの裏側にある「ハムストリングス」という筋肉も大切です。 ここが衰えると膝の屈伸力が低下して、慢性的な膝痛や腰痛を招きやすくなります。 アキレス腱とつながる「ヒラメ筋」の筋力が低下すると、歩くときの地面を蹴る力が弱くなります。そのため膝関節に負担がかかり、膝痛を起こしやすくなります。 股関節の可動域に関係する「腸腰筋」が低下すると、股関節の働きが鈍くなり腰が曲がった状態になってしまいます。 この中でも中高年以降は「大腿四頭筋」の内側にある内側広筋が弱くなります。膝の内側の痛みを訴える人が多くなるのはそのためです。 内側広筋の低下に加えて「歩くときに膝が伸びていない」「膝が曲がった状態で歩いている」ということが膝の痛みの要因となっています。 中高年からの膝痛は、膝の内側の軟骨がすり減っていく変形性膝関節症であることが多いです。 そのまま放置すれば変形がさらに進み、痛みも悪化していく可能性が高いので注意しましょう。
高齢者の筋力トレーニングは椅子に座ってもできる
中高年に多い膝痛は、大腿四頭筋や内転筋など脚の筋肉の衰えが影響しています。? 膝痛が悪化すれば歩くこと自体が難しくなり、トレーニングしようという気にすらならないでしょう。 また脚の筋肉が低下すれば、正しく歩くことができなくなり、知らず知らずのうちに歩く力も弱まっていきます。 そうならないためにも、今すぐにでも足の筋肉を鍛えていくことがとても大切なのです。 高齢者でも無理なくできる筋力トレーニングもあるので、ぜひ取り入れてくださいね。
【腸腰筋を鍛える方法】
まずは椅子に座ります。 背筋を伸ばしまっすぐ椅子に座ったら、片足ずつ膝を曲げ伸ばししていきます。 ※膝を伸ばすのはつらくない所まで。 そのときに膝を伸ばしながら少し脚をあげます。 太ももの下に手のひらが入るくらいの高さで十分です。 ?一度の上げ下げで4~5秒かけてゆっくり曲げ伸ばしを行っていきます。 これを左右10回ほどをワンセットとして、1日ワンセットずつ行っていくと腸腰筋が鍛えられます。
【内転筋を鍛える方法】
まっすぐ立ったまま脚を開いて、両方の膝でクッションや二つ折りにした座布団を挟みます。 内ももに力を入れながらクッションや座布団を挟み、この状態を3秒ほどキープします。 これを3回~5回ほど繰り返せば内転筋を効率よく鍛えることができます。 中高年以降になると誰でも脚の筋肉が衰えていきます。 歩く機会の少ない中高年や高齢者の方は、日頃から正しく歩くことを意識し、膝痛予防のトレーニングを行うことが大切です。