老人性難聴とは?治療法や改善法を紹介
「年齢を重ねると耳が遠くなる」というのは、仕方がないことだと思われがちです。
でも実は、老人性難聴という病気が原因で、耳が聞こえにくくなるケースもあるのです。
その場合は、治療をすることで聞こえがよくなることもありますし、進行を遅らせることができる可能性も。
今回は、老人性難聴の特徴や症状、治療方法などについてまとめました。
目次
老人性難聴の特徴とは?
老人性難聴とは、加齢によって起こる難聴のことです。
主な特徴としては
- 高い音が聞こえにくくなる
- 両方の耳に起こる
- 周りの音がうるさいとうまく聞き取れない
- 音は聞こえても何をしゃべっているのかが聞き取れない
- 痛みや不快感がなくいつの間にか進行している
という点が挙げられます。
つまり、だんだんと聞こえが悪くなって、自分の中ではあまり変わった感じはしないのに、周りの人から指摘されるケースが多くなるのです。
また、聞こえないからといって、あまり大きな声で話をされても、かえって聞き取りにくくなることもあります。
これは、老人性難聴の場合、低い声の聞こえは大きな変化がないことが多いからと言われています。
話をしていても、声の高さや速さによって聞こえるときとそうでないときがある、これが老人性難聴の特徴とも言えるでしょう。
老人性難聴の原因と症状
耳の働きについて簡単に説明すると、音を聞き取るには、耳の外で音を集約し、それを耳穴に送ります。
送られた音を最終的に感知する気管が蝸牛という部分なのですが、そこにある有毛細胞が、音の高低を感知して伝達します。
しかし、加齢によってこの有毛細胞が減少すると、音の聞き取りが弱くなり、最終的にうまく音が聞こえません。
ですから、老人性難聴は「高い音が聞き取りにくい」「話をしていても音は聞こえているけれど言葉の聞き取りがうまくできなくなる」という症状が現れます。
そして、老人性難聴は、両方の耳にほぼ同時に聞き取りにくさが出てきます。
一般的な難聴は片耳だけということが多いのですが、老人性難聴ではほとんどの人が両方の耳に症状が出ます。
老人性難聴は加齢が関係していますが、50代から症状が現れることが多いので、高齢者だけの症状ではないことを覚えておきましょう。
また、聴力の低下は30代後半から起こり始めると言われていて、加齢とともに聴神経自体の機能が悪くなることもありますし、脳の機能低下が関係していることもあります。
老人性難聴の改善法や治療法
老人性難聴の場合には、何らかの疾患が関係していることもあり、その場合は疾病の治療が優先されます。
疾病が関係していな老人性難聴の場合ですが、減少してしまった有毛細胞を増やす治療法は今のところないと言われています。
神経系統の回復に有効とされている、ビタミンB12製剤を飲むと、場合によっては効果が出ることもあるかもしれませんが「これが効く!」というものはなさそうです。
ただし、先ほども言いましたが、老人性難聴は、何らかの疾患が絡んでいるケースがありますから、聞こえが悪くなったのは、年のせいだと安易に割り切るのはおすすめできません。一度耳鼻科などで診察してもらうことが大切です。
では、老人性難聴になったらどうするか?ということになりますが、現在は補聴器を使って、聞こえをよくするという方法が主流です。
最近では様々なタイプの補聴器があって、自分の症状や生活環境に合わせたものを選ぶことができます。
気になるのが価格かもしれませんね。
補聴器は安いものから高いものまでいろいろ選択肢があります。
ですが、安い補聴器は聞こえが悪い原因に沿ったものではないことが多く「使ってみたらあまり効果がない」など、使わなくなってしまう傾向が強いです。
かといって価格が高ければいいのかという話になってしまいますが、自分が実際に使ってよく聞こえると感じるものを選ぶのが重要。
老人性難聴が進行してしまうと、音が聞き取りにくい状況に耳が慣れてしまい、補聴器の聞こえ方にとまどってしまうので、補聴器は早めに使うとよいとも言われています。
まずは医師の診察を受け、専門家の意見を聞いて、自分に合った補聴器を探しましょう。
まとめ
「老人性難聴は、皆起こることだから仕方がない」そう思うかもしれませんが、そのままにしてしまうと、生活を送るのに支障が出る可能性があります。
他の疾患が絡んでいないのか、原因を明らかにすることが最優先ですし、補聴器などを使うのであれば、いろいろなタイプを比較して、最適なものを選びたいものです。
また、耳の聞こえが悪いと、周りの人とのコミュニケーションがうまくとれなくなってしまいますし、孤立感が強くなる可能性もあります。
年のせいだからと簡単に考えず、聞こえを改善させるにはどんな方法があるのか、前向きな手段を取り入れましょう。